「うちの子、スマホばかり見ていて…」
そんな声を多く耳にします。
でも、スマホの向こうには子どもなりの“居場所”や“心の理由”があるのかもしれません。
今回は、Z世代とスマホ、不登校をめぐる“親子の気持ち”に寄り添ってみます。
「Z世代」という言葉が当たり前のように使われ始めたのはいつのころからだったでしょうか?
「Z世代」とは、2025年時点で13歳~28歳のデジタルネイティブ世代。
現在中学生や高校生の子どもたちもここに含まれます。
この世代の子どもたちは、ごく自然にスマホ(スマートフォン)を使い、
YouTubeやSNSなど、様々なネットメディアを通じて発信・交流を行っています。
スマホと不登校の関係
この「Z世代」の中には、学校に足が向かない、いわゆる「不登校」の子どもたちもいます。
そして、今の中高生を考えるうえで“スマホの存在”を無視することはできません。
実際、保護者の方からはこんな声をよく聞きます。
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夜遅くまでスマホでゲームをしている
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SNSで同じ趣味の人と交流しているみたい
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うちの子はスマホに依存している
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取り上げたら暴れてしまった
「不登校のきっかけは別だが、長期化の原因はスマホだと思う」
「スマホのせいで悪化した」
――そんな声も少なくありません。
確かに、スマホが影響しているケースもあるでしょう。
しかし私たちは、スマホが“不登校の根本原因”である事例はそれほど多くないと考えています。
スマホはあくまで「手段」。
嫌なことから逃れるための、または自分らしくいられるための“セーフゾーン”なのです。
子どもたちの本音に寄り添う
実際に子どもたちと話してみると、こんな声が聞こえてきます。
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学校にも家にも居場所がない
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いい子でいることに疲れた
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勉強についていけなくなった
根本には“心の痛み”があることが多いのです。
だからこそ大切なのは、根気強く寄り添うこと。
子どもたちの気持ちを受け止め、「これからどうしていきたいか」を一緒に考えることです。
保護者にも「寄り添い」が必要です
一方で、保護者もまた人間です。
「何とかしてあげたい」という思いで試行錯誤を繰り返し、
思うようにいかないとストレスを抱え、やがて限界を迎えてしまうこともあります。
その結果、思いもよらない形で子どもに影響が出てしまうこともあります。
ここで大切なのは、「我慢しない」こと。
少しでも苦しいと感じたら、誰でも構いません。
どうか話をしてみてください。
できるなら、相談援助の専門職に話してみてください。
きっとあなたに寄り添ってくれます。
子どもに寄り添いが必要なように、親にも寄り添いが必要です。
誰かに気持ちを話すことで、「自己覚知」――自分の心と向き合う第一歩になります。
親が自分と向き合うことは、結果的に子どもと向き合うこと。
私たちは、そんな親子の「寄り添い」を支えていきたいと考えています。
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代々木高等学院
社会福祉士/スクールソーシャルワーカー
建元 大吾

